WSPR（Weak Signal Propagation
Reporter）（whisper：ウィスパー）は、ノーベル物理学賞を受賞し、アマチュア無線家でもある
K1JTによ
り開発され、2008年にリリースされた。Weak Signal
を日本語で言えば微弱電波ということであるので、精神としては極力低出力で送信するということであろう。その微弱電波を使って電波伝搬状況をPCから無線
機を制御して自動測定し、その結果をWSPR.netに報告することにより、データベース化して全世界のアマチュア無線家が共有しよ
うというものである。
もちろん、自分の電波の飛び具合を確認するのがまずは第一目的となる。WSPRは微弱電波で通信するため、信号は誤り訂正をした峡帯域(5.9Hz)の4
値FSK（それぞれ、1497,8Hz, 1499,2Hz, 1500,7Hz,
1502,2Hz）で変調して送受信しており、-28dBのS/Nで通信可能（ただし、SSB受信
機の標準帯域である2.5ｋHzで換算）である。-30dBに近いS/Nで通信可能ということは耳でその音を聴いても判別できないことであり、その受信性
能の高さが推測される。
面白そうなので、まずはWSPR.netにコールサインを申請し、登録した後、電波を出し（それまではワッチのみ）、WSPR.netに接続してレポート
を送ってみた。そしてその結果がWSPR.netに反映されるのを確認して感激した。こんなBFな設備で自分の電波がこんなに飛んでいるのかということ
と、それがほぼリアル
タイムに反映されるのである（WSPR.netに登録しなくても当然ながら電波は送信できるし、また、DBも反映されるようである）。なんとすばらしいこ
とであろうか。WSPRは私のようにBFなアンテナしか持てずに、欲求不満になっている方にはお勧めの交信方法？である。是非、
WSPR用プログラム
をK1JTのサイトからダウンロードしてインストールして試してみることをお勧めする（Windows用はもちろん、Linux、
FreeBSD、Mac OS X用もある）。
